2010年03月26日
続・「納めの器」

伊万里鍋島焼の「納めの器」を開発する時には、生地にたくさんの
絵付けをしないで、食卓に合うような絵付けを各窯元さんたちが
それぞれ考えて試作し、昨年の秋に展示し中間アンケートをしました。
伝統工芸士の資格を持っている窯元さんは、食器の使用状況よりも
絵付けの技を発揮しようとして、多く絵付けする傾向がありますから。
そして、さらに改良した食器を2月のテーブルウェア・フェスティバルに出し
首都圏の焼き物ファンのお客さまに見てもらい、評価を受けたのです。

同じ形状で窯元によって絵付けが違いますから、女性客に人気が
ある絵柄と、そうでもないのがあり、こうして集めたアンケート情報を
参加した窯元さんにオープンにして、次に改良する場合や食器作りの
ヒントにして、器作りに取り組めば良くなるでしょう。
それから更に改良して、4月1日(木)から始まる「春の窯元市」で
販売するので、どんな風に仕上がっているのか楽しみですね。
上の写真の細長い容器には、料理も入れてもいいですが、チョコや
クッキーなど、一口サイズのお菓子入れにも使えますね。
春の窯元市については→伊万里鍋島焼協同組合
2010年03月24日
続・うさこちゃんのデザイン
*前回の記事は、こちらから
ブルーナさんのデザイン本には、
→ 絵を表現するのに、余分なものを省いては、省いていって
よりシンプルに描くことで、読んでいる人のイメージが膨らむように
描くように心がけている、と書いてある。
うさこちゃんの姿を描くのに、トレーシングペーパーにひとつ描いては
目の大きさや位置、口の「×」の大きさや位置などをトレースしては
描き直して、またトレースしては描き直すの繰り返しをして
ひとつの姿ができるのに、100枚ぐらいは描くそうです。
微妙なタッチの違いで表情が大きく異なるので、こういった
「わずかな差」が、実は大きな意味をもつ。
私がデザイン研究所でアシスタントをしている時に、アイデアスケッチを
描いていて、気になる部分を直そうと消しゴムでごしごし消してたら
先輩デザイナーから
「アイデアスケッチはどんなアイデアでも消さないこと。直す場合には
消しゴムで消さないで、別な紙に描き直したら」と云われた。
そのアイデアが本当に良いアイデアなのか知るためには、自分が気に
食わないと思うアイデアであっても、それを消すのではなく、繰り返し
「描き直して」から、前のアイデアと比較しては、また描き直しをすると
「これだ~!という、デザインに出会う事を教えられた。
ブルーナさんがミッフイを描くときは、線を描くというよりは、点と点を
つなぐように書いては「描き直し」をするから、時間がかかるように
ほんとに「イイモノ」はそれを生み出そうとする「思い入れ」の深さと
描き直す回数や試作の回数とは、たぶん比例するんでしょうね。
HPも楽しそうですよ→ディック・ブルーナ・ハウス
2010年03月23日
入賞した「納めの器」

昨年の6月から開発を始めた、伊万里鍋島焼の新作食器「納めの器」を
この2月のギフトショーに出展する時、同時に新製品コンテストがあるので
せっかくの機会だからとダメモトで応募したら、キッチン&ダイニング部門で
準大賞に選ばれました。
応募するには、応募用紙に書かれている質問項目に答えるように書くのに
30分もかからず、写真を添付した応募用紙をメールで送っただけでした。
例え、入賞しなかったとしても、入賞した作品との違いを知ることできるし
何かのヒントにもなり、応募するのはプラスになりますね。
納めの器は冷蔵庫へ収納しやすいように、積み重ねられる容器で
「蓋が皿にも使える」という機能をデザインした食器です。

容器の形状は同じでも、窯元さんによって絵付けする文様がそれぞれ違い
来月の4月1日(木)から大川内山で始まる、「春の窯元市」から
お披露目して販売する予定です。
春の窯元市については→伊万里鍋島焼協同組合
2010年03月17日
うさこちゃんのデザイン

表紙にミッフイ・うさこちゃんが描かれているディック・ブルーナさんの本。
うさこちゃんが有名なのでブルーナさんは絵本作家のようですが、実は
グラフィックデザイナーですから、彼のデザイン仕事を紹介している。
うさこちゃんの絵本は従来の絵本にはない「独自なスタイル」なので
こういうオリジナルを作る人は一体どんな人物なのか気になり
グラフィックとプロダクトとはデザインのジャンルは異なりますが、独自な
着想は多いに参考になり、刺激をうけますね。
この本を読んでわかったことのひとつに、うさこちゃんのイラストは
ブルーナさんの手描きで、実にゆっくりと描いているから、線がかすかに
震えているのです。ルーペで拡大して見ないとわからないぐらいですが
クローズアップして、よ~く見ると確かに震えてますね。
話の続きは次回に。
HPも楽しそうですよ。→ディック・ブルーナ・ハウス
2010年03月10日
伊万里の雪景色

朝から伊万里にも降っていた雪が夕方には積もってきて
かなり冷え込んできましたね。
午後には、秘窯の里「大川内山」に行ってきたのですが
伊万里の市内よりも、もっと雪が降ってました。
大川内山まで、市内から車で15分もかからないぐらいの
距離ですが、山と云われるだけに寒さが違いますね。
写真は、夕方の伊万里川沿いです。
2010年03月08日
セゾンファクトリーのジャム

デパートの地下食品売り場で見かけるようになった、セゾンファクトリー。
セゾンなんて名前からして、フランスの会社のようですが、列記とした
日本の山形県にある会社で、1988年の創業で年商が30億ぐらい。
山形の旬の果物を中心にジャムや「飲む酢」などの加工食品を作り
そのどれもが、高級品に位置づけている。
中小企業の「あり方」のひとつとして、付加価値の高い商品やサービスを
作ることで、大企業の大量品との差別化を図り、独自性を出して
ブランド作りをしている。 独自な商品力・デザイン・情報発信などなど
地方の中小企業の経営ヒントがここにはある。
2010年03月04日
アップルのメモブロック

どうも、ここのところ食べ物ネタが続いてますが、今日はりんご。
電話をしている時には、話の途中でメモをとることがあり、電話の
そばには、ボールペンやメモ用紙を置いてます。
そんなメモ用紙にはハート形やカラフルなものなど、いろいろあるけど
りんごの形をそのまんま縦方向に薄切りしたメモブロックは珍しい。
メモ用紙は薄い紙を横にして重ねたのが「使い易い」から、使い易い
メモ用紙を開発しようと発想すると、縦方向とは思いもつかない。
「使い易い」という事よりも、こんなのが机の上に「あると楽しい」ね~
のデザインを優先して、思わず触って見たくなる存在感がある。
この商品の名前は、「KUDAMEMO=くだめも」で、りんごの他には
「洋ナシ」もあります。
これが6個入ったパッケージは、まるでみかん箱のようで、これも楽しく
果物だけに、遊びの栄養が満点で、思わず微笑んでしまう。
これからは「遊び」を取り入れたデザインも大事だなと、真面目に考える
ようでは遊びから遠ざかるので、マジに考えるより、もっと遊ばんば~。

こんな楽しいメモブロックだと、なんだか使うのがもったいないね。
詳しいことは→DーBROS
と英文字なのですが、日本人のデザイナー集団です。
ここのホームページは、デザイナー集団だけに面白いですよ。