2011年12月02日

今年の「GOOD DESIGN」



今年の十大ニュースには早いけど、私的な重大ニュースには
デザインを手伝った食器がグッドデザイン賞を受賞した事があり
昨日、市役所の記者クラブでの記者発表に同席させてもらった。


作品名:青白磁「一段」
その透明感と形の美しさもさることながら、実際に手にすると
「段」が指にすいゆくような感触があり、使いやすい。
伝統のものの良さを現代の食卓に使いつづけることを奨励する
すぐれた製品群だと思う。(審査員の講評)

デザインの作業はイメージしたのをスケッチや図面に描くだけ。
それを実際に「作る」ほうの仕事が、大変な作業ですから、
食器作りにチャレンジした窯元の虎仙窯さんの努力と技術の評価が
グッドデザイン賞だと思っています。
デザイナーは裏方仕事で、デザインした商品が表に出ると嬉しい。
  


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2011年10月20日

審査員からほめられた器


青白磁・一段「ぐい呑み」

以前から鍋島青磁の透明感ある美しさを、器にどうデザイン
しようかと、アイデアスケッチを描いていました。
暮らしのなかで、一番使うだろう「湯呑」は山ほどあるから
青磁釉薬の美しさを表現する「カタチ」を考える前に、普段に
使っている煎茶碗(そば猪口ですが)を手に持って、お茶を
飲むたび酒を飲むたびデザインを考えてはスケッチを描いた。
食器は文字通り「食の器」なので、使いながら考えるとなると
1日に少なくとも3回は嫌でも考える癖がついてしまう。

そして、いくつか描いたデザインの中から、窯元さんと一緒に
作った食器が今年のグッドデザイン賞を受賞しました。
受賞できたのは窯元・虎仙窯さんの技術と努力のおかげで
細やかなことを言っては試作を作ってもらいました。感謝。

グッドデザイン賞・審査員の評価
=その透明感と形の美しさもさることながら、実際に手にすると
 「段」が指にすいつくような感触があり、使いやすい。
 伝統のものの良さを現代の食卓に使いつづけることを奨励する
 すぐれた製品群だと思う。
  


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2011年10月05日

グッドデザイン賞を受賞した器

10月3日、今年のグッドデザイン賞が発表されました。

「今までなかったのが不思議に思えるようなものが
優れたものだと思います。
その潜在的にみんなが思っていた解が具現化された
ときに、グッドデザインは生まれます。」

と話しているのは、2011年度のグッドデザイン賞の
審査委員長をしているデザイナー深澤直人さん。
まあるい加湿器やインフォバーのデザインをした人です。


(写真は青白磁ぐい呑み)

グッドってのは、文字どおり「良い」わけですから
今現在、世の中にある物よりも、どこかが良いということ。
暮らしに役立つモノやコトを生み出す行為がデザイン。
見たときに「あ~、きれい!」とか「これってイイネ」と
そこに笑顔が生まれるだけでグッドでしょ。

「GOOD・良い」という意味を、自分なりに解釈して
言い換えれば、「快適さ」という意味も含んでいると思う。
心地良いとか適正のように、暮らしを快適にしてくれる
役割をちゃんとはたしていれば、たとえ、それが有形の
商品であれ、無形のサービスであれ、グッドでしょ。

グッドデザイン賞を受賞した伊万里鍋島焼窯元の
虎仙窯さんの青白磁の器
は、煎茶碗、ぐい呑み
など4点のシリーズ。おめでとうございます。
佐賀県でグッドデザイン賞に入賞したのはこれ1件。

*今年のグッドデザイン賞は→こちらから
  


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2011年08月23日

グッドデザイン賞の現物審査




グッドデザイン賞に選定されるには、書類審査をパスした後に
現物審査があり、現物を出展する日が目前に来ています。
審査員はデザインのスペシャリストたちですから、審査台に
ただ現物をポンと置いて、はい終わりとはいきません。

審査員は言い換えるとお客さま。その場で初めて多くの現物を
見ることになりますから、印象良く見せて「これはいいね」と
思ってくれるように、現物の「良さ=特長」を、どうやって
見せるか、印象づけるかといった、見せ方の工夫ひとつにも
デザイン力が試されます。しかもコストをかけないで、照明の
当て方や、レイアウトなど、ちょっとしたセンスです。

こうした審査での「見せ方の工夫」をすることで、その商品を
お店で実際に展示販売する時に、見せ方の工夫が活きてくる。
モノがあふれている時代ですから、お店の展示台にポンと
商品を置いて値段を見せるだけで、その商品の良さ=価値が
初めて見るお客に伝わるのでしょうか。
なかなか売れんねと愚痴を言うヒマがあるなら、「見せ方」や
「伝え方」の知恵をだし、もっと工夫せんばです。
  


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2011年07月23日

グッドデザインの現物審査の準備



グッドデザインの第一次審査をパスした事業所で、次の現物審査に
提出する商品の制作について、午後から打ち合わせをしてきた。
審査用の良品現物をすぐに作りに入らないと、次の締め切りまで
時間にあまり余裕がないので、早めに作りこみをするためです。

まあ、アドバイスというほどではないのですが、審査員は全員が
デザインについてのプロ集団だし、今までに優れた品を見慣れて
いる連中が、「これはいいね」と感じてくれるようにするには、どこに
ポイントがあるだろうかと試作品を見ながら、この辺が大事だろうとか
たぶん、ここもポイントになるだろうと、あくまでも「だろう想定」での
話しになった。そりゃあ、グッドデザイン賞に入賞するにも大事ですが
商品が今の時代に、「これはいいね」と言われるような価値を探して
見つけて、自分で考え、自分で作るほうがもっと大事だと思うし
第一次審査をパスできたのは、デザインとか書類の文章のできばえ
なんてより、運が良かったんだと思うから、運にサンキュウだね。
  


Posted by デザイン散歩 at 16:41 | Comments(1) | Gマークに入賞

2011年07月16日

グッドデザイン賞のハサミを見ながら





ここ最近、夜のミーティングが続いたせいか、机の中の整理が
できなかったので、少しはしようと片付けていたら、以前に
グッドデザイン賞に選ばれた美容ハサミの箱を見つけた。
中には、未使用のまんまのハサミが入っていて、ちょっと髪を
切ったみたけど、切れ味は変わらずに、よく切れる。
鋏の特長が、刃先にチタンコーティングしていることなので
そして出来たのが、面取りした刃先のデザインです。

他とは違う点(個性)をどうやって表現すると、いい感じになるかと
アイデアスケッチを描いては、いくつかの試しに作っては修正する。
その繰り返しをすることで、見えない「姿」が見えてきたのです。
最初に浮かぶイメージなんてのは、大したことでなく、ぼやっとした
ものなんですが、試作品をいくつか作る過程でぼやっとしてたのが
だんだんとクリアになってくるから、アイデアが出たら、とにかく
試しに形を作ること。作ってみること。試してみること。
そうすると、ある瞬間に見えない姿が「これか」と見えてくる。  


Posted by デザイン散歩 at 20:20 | Comments(3) | Gマークに入賞

2008年03月24日

Gマークへの道・総集編



今日の伊万里は暖かな陽気ですから、向こうに見える大川内山も霞んでいて
やはり花粉や黄砂も飛んでいるようですが、見るまでもなく目がかゆかばい。

Gマークへの道も10回ほどお話してきたので、そろそろ終着駅に。
(終着駅は始発駅とも、歌に歌われているようですが)
きょうは、これからGマークに応募してみようかと、新商品開発をしようとする
場合のポイントについて、今までに気がついた点を少々。
ようこそ先輩、よくきた後輩ではありませんが、入賞した経験者のひとりとして
新商品などを開発するときの、ひとつの参考になればありがたいです。
グッドデザインは、その商品のどれがグッドであるかを審査するから、たぶん
こういう項目を審査しているのではと想定。(あくまでも想定ですよ)
・新規性ー新しい価値
・機能性ー機能的に優れている
・使用性ー使いやすい
・品質性ー高品質である
・美観性ー外観が美しい
・公共性ーより多くに有用
・時代性ー今の時代の価値観に適応
・独自性ー他の類似品との差異が明らか
・有用性ー役立つ
・適材性ーその素材の適正
・UD性ー誰でも使える
・安全性ー安全である
・互換性ーパーツ交換が容易

おそらく、審査項目はもっとあるでしょうが、こういった審査項目で採点されて
基準となる「ある点数」を超えることが、第一関門となるでしょう。
木製スイッチプレートの「木楽」の場合を振り返ってみると、  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 12:08 | Comments(0) | Gマークに入賞