2009年09月21日

窯元は「作る特権」を楽しむべし



写真は陶箱弁当。こんな器が食卓の上に出てくるだけで楽しくなるね。

(前回の記事は、こちらから)
作るという特権を楽しむ豊かさ
焼き物を作るのが好きな人たちが有田にやってきて、有田窯業大学校で
勉強して、卒業したら、有田焼のメーカーや窯元で働いています。
あるいは、専門学校や美術大学などで陶磁器作りを学んで、有田に来て
メーカーや窯元で働いて、焼き物作りに携わっている人もいる。
窯元で働いていると、注文品の絵付けをする事になるから、自分で考えた
作品を自由に作るわけにはいきません。
しかし、春や秋には「陶器市」があるから、こういう機会に、スタッフが自由に
作った焼き物について、お客さんの声を直接に聞くのはスタッフのいい勉強に
なるし、そして、その作品が売れたら、焼き物作りの励みにもなる。

そこの窯元らしさも大事かも知れないが、せめて「陶器市」というお祭りの期間
ぐらいは、スタッフの自由な焼き物を展示すると、お客さんは今までとは違う
新たな作品と出会うことができて、有田の陶器市がもっと楽しくなるのでは。

お客は豊かな所に行きたくなる。
食器を作っている窯元やスタッフは、そこで作った食器で食事を豊かに
過ごしているだろうか。大根の漬物や佃煮を、染付の小皿に盛り付けて
「豊かな」食空間になるように楽しんでいるだろうか。
花器を作っている窯元は、作業場や家の中で、花を生ける暮らしをして
野の草花などを花器にいれて、花のある暮らしを楽しんでいるのだろうか。
急須や煎茶碗や抹茶碗を作っている窯元は、それらの茶器を使ってお茶の
美味しく飲んで、月見会でもしてスタッフと一緒に楽しんでいるだろうか。

観光客が観光地に行くのは、「そこが豊か」だから、行ってみたくなるのでは。
そこの「豊かさ」に触れたいから、行くことが楽しみになる。
食器を作るだけでなく、食器を主役にした食空間を楽しんでいる景色が
他の町ではできない、焼き物の町・有田の豊かさになると思う。
窯元の仕事の休憩時間に、そこの最高の煎茶碗で、お茶を飲んだほうが
豊かで贅沢な時間を楽しめるだろう。
お客さんに出すコーヒーカップは、新作のコーヒーカップでサービスしたら
焼き物ファンのお客さんは、きっと喜ぶにちがいない。

陶器市で焼き物を3割引や5割引にして「売る」以外にも、有田に来てくれる
焼き物ファンのお客さんが喜んでくれる「豊かさ」をもっと提供すべき。
豊かさに「補助金」は不要で、必要なのは作っている自分たちが楽しんで
そして、お客さんに喜んでもらう「姿勢=気持ち」だね。
話の続きは、24日(木)に。


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Posted by デザイン散歩 at 12:49 | Comments(3)
この記事へのコメント
こんにちは、初めまして。とても素敵なデザインの陶箱ですね!!懐石料理の保名さんでも使われている弁当箱のようですが、どちらのお店(メーカー)で購入できるかご存知ですか。お手数おかけしますが、宜しくお願い致します。
Posted by まどか at 2012年04月23日 01:55
度々すみません。写真に窯元の名前がしっかり書かれていますね;;文山窯で検索しましたら、こちらの陶箱を販売しているネットショップがありました。おかげさまで素敵な情報をいただきました。どうもありがとうございます。
Posted by まどか at 2012年04月23日 02:51
まどかさん、コメントをありがとうございます。
有田の陶器市も近いので、こういう時に窯元さんを訪ねて、
同じ形状のいろんな絵付けを見るのも楽しいですよ。
Posted by デザイン散歩 at 2012年04月23日 10:34
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