2009年09月14日
有田ルネッサンスの金賞作品
(前回の話は、こちらから)
先週から有田ルネッサンス事業のデザインコンペ入賞作品を紹介している
のは、入賞した作品の良し悪しではなく、有田焼の補助事業の取り組み方を
見つめ直すことが、これからの有田焼を考えるためには大事だと思って
書いていることをご理解してください。入賞した作品が問題ではなく
補助事業の企画内容と、その取り組み方が問題だったのです。

有田ルネッサンス事業で、最優秀金賞に選ばれたのが「BLOOM:ブルーム」。
3角形の大小5枚の中央に窪みがあるプレートが、5重の塔のように重なって
用途によっては、裏返してソースやドレッシングを入れたり、裏表使える
新しい発想の食器。立食パーティで片手で食すときにも便利で、湾曲した
フォルムは手に持ってもおしゃれ。と、紹介されている。
=審査員が推奨する最優勝の金賞作品ですから、審査員は全員、この3角形
作品を予約注文して買ってくれたことでしょう。
これにソースやドレッシングを入れて使おうとすると、スペースをとるために
テーブルはかなりの大きさのテーブルになるし、この3角形食器をソースや
ドレッシング入れにして、使いたいと思う人がどれだけいるでしょうか。
立食の時に片手で使えて「便利」とあるが、本当に便利なら立食パーティを
するホテルなどから注文が殺到しているはずです。
先週から有田ルネッサンス事業のデザインコンペ入賞作品を紹介している
のは、入賞した作品の良し悪しではなく、有田焼の補助事業の取り組み方を
見つめ直すことが、これからの有田焼を考えるためには大事だと思って
書いていることをご理解してください。入賞した作品が問題ではなく
補助事業の企画内容と、その取り組み方が問題だったのです。
有田ルネッサンス事業で、最優秀金賞に選ばれたのが「BLOOM:ブルーム」。
3角形の大小5枚の中央に窪みがあるプレートが、5重の塔のように重なって
用途によっては、裏返してソースやドレッシングを入れたり、裏表使える
新しい発想の食器。立食パーティで片手で食すときにも便利で、湾曲した
フォルムは手に持ってもおしゃれ。と、紹介されている。
=審査員が推奨する最優勝の金賞作品ですから、審査員は全員、この3角形
作品を予約注文して買ってくれたことでしょう。
これにソースやドレッシングを入れて使おうとすると、スペースをとるために
テーブルはかなりの大きさのテーブルになるし、この3角形食器をソースや
ドレッシング入れにして、使いたいと思う人がどれだけいるでしょうか。
立食の時に片手で使えて「便利」とあるが、本当に便利なら立食パーティを
するホテルなどから注文が殺到しているはずです。
立食時に片手で使う食器プレートには、料理の置き方や、料理を食べる時に
使うフォークやスティックの置き方など、「片手」で使いやすくするためには
口元をナプキンで拭く時に、右手に持っているグラスを置くスペースとか
片手プレートのデザインにはそれなりの工夫が求められ、審査員が
好評するような、「立食時にも便利」な食器とは言い難い。
「食器を裏表で使える」という評価では、別の作品も入選しており、確かに
食器を裏表に使うなんてのは、今までにないから面白いかも知れないが
ユニクロのフリースじゃあるまいし、選定する審査員の視点がとてもプアーな
印象を受ける。食器に遊びの要素があって「面白い」とか、「今までにない」
という選定基準に、大きな問題があったのです。
この3角形を見ていた有田焼関係者の声が私の耳に聞こえてきました。
「よぉ~、こげん薄くて、高台もないのにきれいに、よぉ~できと~」
また、別の有田焼の人が言ってました。
「これの型ば、作るのは大変やけん、よぉ~できと~。」
「さすが、K社の成型技術は、すごかね~」などなど。
有田焼の皆さんが感心しているのは、「よぉ~、できと~」であり
薄さや成型などの「作り方」ばかりに集中していて、これらの食器を
一体どこの誰が買いたいと思うかには、関心が低く、見ている人から
「これに料理を入れて、食事ばしてみたか~」の声は皆無だ。
「作り」に関心があっても、市場性や顧客層などの買いたい人はどこの
誰なのかには関心が低い。これが有田焼低迷の原因でもあるのです。
話しの続きは、16日(水)に。
使うフォークやスティックの置き方など、「片手」で使いやすくするためには
口元をナプキンで拭く時に、右手に持っているグラスを置くスペースとか
片手プレートのデザインにはそれなりの工夫が求められ、審査員が
好評するような、「立食時にも便利」な食器とは言い難い。
「食器を裏表で使える」という評価では、別の作品も入選しており、確かに
食器を裏表に使うなんてのは、今までにないから面白いかも知れないが
ユニクロのフリースじゃあるまいし、選定する審査員の視点がとてもプアーな
印象を受ける。食器に遊びの要素があって「面白い」とか、「今までにない」
という選定基準に、大きな問題があったのです。
この3角形を見ていた有田焼関係者の声が私の耳に聞こえてきました。
「よぉ~、こげん薄くて、高台もないのにきれいに、よぉ~できと~」
また、別の有田焼の人が言ってました。
「これの型ば、作るのは大変やけん、よぉ~できと~。」
「さすが、K社の成型技術は、すごかね~」などなど。
有田焼の皆さんが感心しているのは、「よぉ~、できと~」であり
薄さや成型などの「作り方」ばかりに集中していて、これらの食器を
一体どこの誰が買いたいと思うかには、関心が低く、見ている人から
「これに料理を入れて、食事ばしてみたか~」の声は皆無だ。
「作り」に関心があっても、市場性や顧客層などの買いたい人はどこの
誰なのかには関心が低い。これが有田焼低迷の原因でもあるのです。
話しの続きは、16日(水)に。
Posted by デザイン散歩 at 12:45 | Comments(4)
この記事へのコメント
こんにちは。
Dボーイさんのブログを愛読させていただいてます。
有田ルネッサンスの記事の続きがとても気になるこの頃です。(学生時代にデザインを専攻していたもので)呑み屋の記事と同じぐらい興味深いです。今後とも鋭い指摘の記事を楽しみにしています。
Dボーイさんのブログを愛読させていただいてます。
有田ルネッサンスの記事の続きがとても気になるこの頃です。(学生時代にデザインを専攻していたもので)呑み屋の記事と同じぐらい興味深いです。今後とも鋭い指摘の記事を楽しみにしています。
Posted by milk at 2009年09月14日 15:08
milkさん、コメントをありがとうです。
引き続き、ご愛読をよろしくです。
引き続き、ご愛読をよろしくです。
Posted by Dボーイ at 2009年09月14日 18:10
デザイン性だけでなく、
機能性、使いやすさ等も追及しなければ、
大ヒットには至らない…というのが現実ですよね。
機能性、使いやすさ等も追及しなければ、
大ヒットには至らない…というのが現実ですよね。
Posted by ❤まりも❤
at 2009年09月14日 23:42

まりもさん、こんにちは。
商品のデザインが時代に合っているかとか、新規性、話題性などの要素が
大ヒットするためには、特に重要になりますね。
商品のデザインが時代に合っているかとか、新規性、話題性などの要素が
大ヒットするためには、特に重要になりますね。
Posted by Dボーイ at 2009年09月15日 09:05