2009年08月25日
「取っ手」は重要!

やかんはお湯をわかす機能があるだけでなく、手に持つ道具ですから
持ちやすい事も重要です。持ちやすいとは指や手、腕などに「負荷」を
かけないことで、熱い湯が中には入っているので、「安全性」にも
充分配慮して、デザインを進めていくことになります。
写真のやかんの取っ手は、やや傾斜した状態で、取っ手の中央部に
膨らみを持たせることで、「しっかりと持ちやすくて、注ぎやすい」という
機能性に応えており、グッドデザインなやかんの取っ手です。
手に持つ道具には、「使う人の年齢」や「用途」に配慮することが大事。
ですから、コーヒーカップにも同様に、細やかな配慮が必要になり
カップの中には熱いコーヒーが入っているので、やはり安全性に
配慮して、モノ作りに取り組むべき「手に持つ道具」なのです。
ところが有田焼などのコーヒーカップの中には取っ手は生地屋から仕入れ
ただ付けているような、持ちにくいカップをたまに見かけることがある。
絵付けする以前に、カップ自体の「持ちやすさ」とか「飲みやすさ」などに
もっと配慮して作らないと、売れない現象がまだ続く事になるでしょう。
佐賀新聞に有田焼マグカップの新商品紹介で、取っ手が男性の指なら2本
女性の指なら3本入るから使い易いなんて記事があったけど、
使う相手(お客)よりも自分達の都合(製作コスト低減など)を優先している
まったく「配慮」のセンスがずれた、安易な印象を残念ながら受けた。
使い易いとは、使う人にとって「負荷が少ない」事を意味しているのですから
使う人(お客)の状況を優先して、よく考えては、またよく考えるしかない。